自分なりの供養の方法に、
色々と注文を付けてくる、
立派な大人っているでしょう。


『本来はこうあるべき』
『そんなやり方じゃダメ』
『こうしなければいけない』


みたいな厳しめなご指導として。


その指摘、確かに正しかったとしても、
それが負担や障害になるようだったら、
無視しても問題ないです。


むしろ無視しないと問題ありです。


神仏が対象となる信仰だった、
確かに礼儀作法は重要です。


自己流を通すのは自分勝手だし、
テキトーに済ませるのは無礼です。


けれど相手がご先祖様だった場合、
厳しすぎる制約は誤解です。


信仰は誠実にフォーマルに。
供養は親密にカジュアルに。


それが王道です。


『目上の存在に対しては敬意を持って接する』


というのは、この世でもあの世でも同じ道理。


ただし。


相手が神仏だった場合、
その作法が細かく決まっています。


祭祀の手順や規則は、
人の都合で勝手に変えられないし、
定められた戒律をむやみに破るのはタブーです。


一方で。


相手がご先祖様だった場合、
話は変わってきます。


目上の存在として、
敬意を表すのは同じです。


けれど、その表し方は、
親孝行をする感覚とほぼ同じです。


そこに全員共通の規則はないし、
破ってはいけない戒律もありません。


神仏の信仰とは、
あちらのご意向が軸となり、
それに合わせて人の作法が決定されます。


先祖の供養とは、
こちらの感謝が軸となり、
その表し方を自分で決めていくものです。


多少くだけた態度になっても、
それは一族ならではの親しみです。


ご先祖様は、それを理解し、
よほどの非常識でない限り、


『仕方ねーなうちの子孫は』


としかめっ面しながらも、
最終的にはニッコリ大目に見てくれます。


お仏壇の管理やお墓参りの方法が、
子や孫にとって負担になっているとしたら。


それがどんなに立派で見栄えの良い、
立派な供養の仕方だったとしても、凶です。


自分達の供養のために、
子孫が縛られ、戸惑い、苦労することを、
ご先祖様は望みません。


『無理しなくていいのに』
『よそはよそ！うちはうち！』
『みんなが幸せでいることが大切』


これがご先祖様の共通見解であり、
神仏とは別の種類の親愛です。


信仰と異なり供養は、


『できることを、できるだけ』


を基本として問題ありません。


信仰と供養は混同されがちですが、
似て非なるものです。


神仏に自分の都合を押し付けるのは、
教義に反し、システムが別物です。


一方、ご先祖様への供養とは、
家族への接し方に近いです。


もちろん、無礼な振る舞いや、
非常識な態度は凶です。


けれど、それさえも、
ある程度までは許してくれるのが供養です。


だから、誰かの家のやり方を、
無理して参考にすると間違えます。


良く分かっていない無責任な他人に、
口出しされても無視して良いです。


そうして、今日も明日も、
健やかに供養を続けて吉。


それでは☆

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