
11月における、七五三という子育てイベントに関して。
先日、以下のご質問をいただいたので、備忘録も兼ねて。
1.数え年と満年齢のどちらで行うべき?
2.どの神社で行うべき?
七五三の変遷への理解
まず始めに。
七五三というのは、色々な歴史の紆余曲折を経て、
今も残っている伝統的な儀式であるということ。
また、時の経過の中で、その存在意義も変わってきているということ。
さらに、それを執り行う環境や背景も、
過去と現在では違いがあるということ。
そこは、何となくでも踏まえておけると良いと思います。
昔の人がやったのと全く同じ厳格なスタイルのみが吉とは限らず、
かと言って、昔からの儀式を無視してしまうわけにもいかない。
上手な古今折衷のバランス感覚が必要になると思います。
★どうして11月15日なのか?
★なぜ七・五・三なのか?
★昔はどうしていたのか?
に関しては、『七五三とは?』で検索していただいた方が、
より詳しく正しい知識を集めてもらえると思います。
そうではなく、運の判断基準をお求めの際は、以下をご確認ください。
数え年と満年齢のどちらで行うべき?
『昔ながらの厳格な七五三』
を狙うなら、数えで行います。
方法論に関しては、地域ごとに異なる『正式』があるはず。
そちらに従って、きっちりできると、
よりトラディショナルで地元に則した儀式となります。
一方。
現代的な儀式で行く場合、満年齢で問題ありません。
現在はそちらのスタイルの方が主流になりつつあり、
そのことで何か運に不具合が生じるなんてことはありません。
家族みんなで神社へ参拝し、記念撮影をし、
千歳飴ペロペロなめながら手をつないで帰って来る、
そういうカジュアルスタイルこそ、現代の正統とも言えます。
数えだろうが、満年齢だろうが、いずれの場合も、
『子供の成長を悦び、感謝を神仏に伝える』
という根底は共通です。
その基本は、今も昔も何も変わりません。
一方で、悦びと感謝の表現手段に関しては、
任意による選択制で良いと思います。
より無理なく自分に合う方を選んで吉。
どの神社で行うべき?
選択肢は3つ。
1.氏神様
2.鎮守様
3.産土神様
上記のいずれかが通常。
ちなみに、方位の吉凶はあまり関係ありません。
『氏神様が吉方位になるまで止めた方が良い?』
『鎮守様が凶方位なんだけれど大丈夫?』
『凶方位の産土神様じゃダメなの?』
という不安は一切持たなくて良いです。
話を戻して。
昔と異なり、現代のカテゴライズによると、
氏神様とは、自分の一族を守る専門の神様というより、
土地を守る鎮守様の意味合いを強く含めていることが多いと聞きます。
実際、自分の氏の神様を祀る一族は少ないはず。
それが核家族のご家庭ならばなおさらです。
なので、一般的に氏神様とは、
鎮守様(居住地を守る地元の神様)と考えて良いと思います。
そういう意味で。
氏神様も、鎮守様も、七五三には適した参拝の選択肢だと思います。
子供の成長環境を治める神様に感謝を表現するのは自然です。
もうひとつの選択肢が産土神様。
成長環境とは別に、自分が生まれるときに加護をくださった神仏のこと。
生誕地によって定まる、という人もいれば、
縁故によって決まる、という説もあります。
この産土神様も、分かっているならば、もちろん七五三に最適。
結果として、氏神様、鎮守様、産土神様のどれかを選んでおけば間違いなし。
そして。
一般論とは別に、僕の意見を。
個人的には、
『お宮参りに行った神社仏閣にて七五三を!』
とお勧めしています。
というのは。
生誕の際にお世話になった神様に、
三歳・五歳・七歳のタイミングで参拝できれば、
子供の成長を定期的に報告することが可能です。
『おかげさまで無事に生まれました』
『あの時の赤ちゃんがこんなに大きくなりました』
『あの時の幼児が、立派な男の子/女の子になりました』
という風に、流れの中で神仏との接点を保つことができます。
お宮参りからの七五三、という一連の流れ、大切にできると素敵です。
ただし、上記は、生まれた場所と育った場所が同じ、
もしくは近距離である場合に限るはずです。
転居により生誕地と成長環境が異なる場合は、
お宮参りと同じ神社仏閣で七五三の参拝をするのが難しい、
というケース、多いはずです。
その場合は、より無理のないものを選んで吉。
それでもまだ迷いが晴れないときは
上記を踏まえて、なお判断に迷った場合。
子供と、それを見守る神様との繋がりや、
子供を育てる親と、それを支える神様との繋がりは、
お宮参りや七五三だけの瞬間的・一時的なものではありません。
受験や就職や結婚など、人生の節目において、
今後も末永く続く大切な関係性です。
だから、
『これまでどうだったか?』
にはこだわり過ぎず、
『今後はどうしていくか?』
という未来志向で答えを出すのが良いです。
そこでどんな答えを選んだとしても、
誠実であれば、誰が何と言おうと、その選択に間違いはなし。
自信を持って神様にご挨拶し感謝して吉。
それでは☆
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コメント
コメント一覧
ちょうど七五三どうしようかなぁと思っていた私に、タイムリーなブログでした♪
お宮参りの神社で行えばいいとの事で安心しました。
四緑まるさん
・周囲のみんなが選ぶ場所
・七五三に最適と評判の場所
・家族や親せきに薦められた場所
など、様々な選択肢があるはずですが、
お宮参りの実績がある神社仏閣ならば、
上記のどれより適していると思います。
母親が神社仏閣の絡む伝統行事を毛嫌いしていたため、七五三は未経験だそうです。
お宮参りなども一切していないと確認しています。
もしやっていたら、きっと写真があるはずとのこと・・・
母親だけが他の宗教信者というわけではなく、神仏そのものが大嫌いなようです。
その地域で一番大きい神社が友人宅から徒歩5分。
毎年その神社のお祭りで、友人父はおそらく氏子で行事に参加。(神輿担ぐなど)
貧乏だったが、着物は既にいとこのお下がりをもらっている。
サイズは直す必要なく、縫いおはしょりも紐もきちんとついてすぐに着られる状態。
帯は作り帯、胴に巻いて後ろに形づくられたものを差し込むだけの簡易帯。
着物を買うお金がないとか、着付けができないという言い訳はできない状況です。
その地域では、幼稚園年長さんで七歳の七五三をするのが当たり前でした。
ですが、当時年長さんの友人に嘘をついた友人母。
「今11月であんたはまだ5歳なんだから早い。来年」
友人は早生まれなので、自宅の窓から同級生たちが着飾って通り過ぎて行くのを指をくわえて眺めていたそうです。
その後、友人は母親に騙されたと理解した時には手遅れ。
小学校に上がってからやるのは遅いから結局なし、と。
満年齢と数え歳との差や早生まれを悪意を持って言いくるめられたケースでしょう。
お賽銭すら勿体無い、小銭ですらも財布から出さないでと友人母が言い出し友人父とけんかしたそうです。
友人いわく、きっと千歳飴すらも出費したくなかったのだろうと今は考える余裕も出たが、やっぱり理解できないと。
こういう場合、母親が子供の運を下げていると考えられますか?
長文失礼しました。
行事と無信心さん
> 母親が神社仏閣の絡む伝統行事を毛嫌いしていたため、七五三は未経験だそうです。
それはそれで、1つの信念であり、生き方として、決して否定はしません。
> 母親だけが他の宗教信者というわけではなく、神仏そのものが大嫌いなようです。
これはロジカルな根拠のある話ではありませんが、
神仏を信じるものだけが吉ということはないと思います。
> 友人は早生まれなので、自宅の窓から同級生たちが着飾って通り過ぎて行くのを指をくわえて眺めていたそうです。
その記憶、一生忘れないでしょうね。
> 友人いわく、きっと千歳飴すらも出費したくなかったのだろうと今は考える余裕も出たが、やっぱり理解できないと。
良くも悪くも、ちゃんと因果応報の偶然の必然はあると思います。
> こういう場合、母親が子供の運を下げていると考えられますか?
神仏に対する態度だけでは何とも言えません。
信仰がなくても、子供への愛があるならば、運は下がらないと思います。