虫歯になってから歯磨きするんじゃ遅い。


歯磨きは治療ではなく予防なのだから、虫歯がない時にやるものでしょう。


太ってからダイエットするのでは遅い。


体重は急には増えないのだから、その前に気づくチャンスはうなるほどあったはず。


勉強をするなら試験の前が常識。


試験が終わって成績にショックを受けてから、慌てて本気で勉強を始めるのは非常に非効率的。


仕事の失敗や交際の争いも、同じようなことが言えるはずで。


『いまさら焦っても仕方ないじゃん』
『そんなの自業自得でしょう』
『なるべくしてなった当然の結果だわ』


なんていって、ただただ、自分の落ち度を悔やむしかないのかもしれません。


ところが。


虫歯になって、涙が出るほど痛い経験をしない限り、
歯を大切にしようと思えない、僕のようなタイプもいる。


たまに思いついたように体重計に乗っては、そこでようやく、


『げっ、今までの自分、バカ!(知ってたけど)』


と気づける僕のような怠け者、他にもいませんか?


試験に落ちたり、〆切ギリギリになったり、
誰かを怒らせてからでないとお尻に火がつかず、
真剣になって物事に向き合おうとしない不心得者、僕だけですか?


トラブルは、ないのがベスト。
それはその通りだと思います。


いつかどうせ頑張らなくちゃならないのだとしたら、
トラブルが起こってからではなく、起こる前の方が、
余計な苦労をしないで済むと言うのは良く分かります。


けれど、問題や摩擦や衝突などの、
ショックを受けるような明らかなインパクトを味わうことで、
過去の自分を振り返り、現状を見つめ直し、考えを改めることができたなら、
そのトラブルは気付きのためのスパイスであり、
本当の悪運ではないと考えることができます。


自堕落な生活で病気になった人が、
それをきっかけに習慣を改善し、
健康を取り戻すことができたならば、
トータルで見て、その人は、運の良い人生だと思います。


乱暴な運転で事故を起こし怖い思いをした人が、
以降、心を入れ替えて安全運転をするようになれたなら、
その事故は教訓であり学びであり、分岐点であると思います。


『その前に気づけよ』
『そんなことなくても分かるだろ』
『そんなこと言ってるからダメなんだよ』


と言いたくなるような、そういう本気であきれる場面も、確かにあります。


だから、前提として、トラブルは、ないのがベスト。


でも、あってもベターは目指せるし、それが自己ベストな場合もあるはずです。


一般的にはいまいちであっても、自分にとってのベストであるならば、
それが偶然の必然であり、人生の最適な落とし所。


長くなりましたが、ここまでが前提。


運にも同じようなことが言えて。


いきなり吉にたどり着くことができたら、それが最高。
そのために努力し計画し工夫するのが、効率的。


ところが。


凶を経てからでないと手に入れられない吉がある。
凶と気づいてから対処や補足の努力が始まる場合もある。


その時。


『最初から吉じゃないと意味ないじゃん』
『凶を選んでしまったら手遅れだよ』
『凶のあとには何しても無駄』


ということは、運の世界では、ありません。


それをきっかけとして運が動き、運に気づき、運を良くすること、できます。


凶をきっかけとして軌道修正がなされ、向かうことができる吉の道、あります。


だから、今、目の前にある凶を『悪運』と決めつけるのは時期尚早です。
過去の凶をいつまでも引きずって悩みを抱えるのは間違っています。


そこから目指す吉こそが、自己ベストであり本当の偶然の必然。
凶を通ることまで含めて吉となる幸運のシナリオ。


凶の要素が一切ない状態を幸福だと思ったら誤解で。


運の良い人でも凶を選び、トラブルを味わうことは、大いにある。


けれど、本当に運が良い人は、
虫歯をきっかけにして、以降、ちゃんと歯を磨くようになります。


体重計に乗って愕然とした後は暴飲暴食を控えるし、
病気や怪我をきっかけにして更に生活習慣を向上させます。


仕事で失敗してからリカバリーまでの過程で実力を高め、
喧嘩した後の仲直りの最中に、本当の配慮や気遣いを学びます。


上記の例えだと説教臭くなってしまいますが、要するに。


凶を経て到る吉がある。
凶まで含めて吉となる場合がある。
凶がきっかけとなってたどり着く吉は、確かにある。


そのことを常に忘れないようにしないと、
僕達は、運が良くなる途中に、運が悪いと勘違いすることになる。


そういう勘違いは、減らせた方が、気分が良いと思います。


それでは☆


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